クラウド基盤

研究内容概要

クラウドコンピューティングとは,非常に多くのコンピュータが連携し, ユーザがら見れば無限の"計算資源の雲"のように見える計算パラダイムである. 近年 Amazon, rackspace, Sales Force のように様々な企業が様々な形態のクラウドを提供している. クラウドの特徴的な性質を以下に挙げる.

Heterogenousity:
処理能力,計算能力の異なるマシン群が連携→どう効率よく連携させるか?
Multy-tenancy:
一つのクラウド,一つのホストに複数のユーザが同居→どう性能保証,セキュリティ保証を行うか?
Dynamicity:
計算機の負荷,ネットワーク速度,エネルギーのコスト等が動的に変化→どう予想外の変化に対応するか?

これらの課題に対し,本グループではクラウド基盤という観点から研究を行っている. クラウド基盤とはOS,仮想化,ミドルウェアといったクラウドを構成するために必要不可欠なソフトウェアを指す. 上記の問題に基盤ソフトウェアレベルからアプローチすることで、クラウドのユーザ、運用者のどちらもが低コストで利益を与えることができる。

研究トピックの紹介

高速なライブマイグレーションによる仮想マシン配置最適化(穐山)

クラウドではユーザの仮想マシン(VM)をクラウドの物理マシン(ホスト)上にどう配置するかが重要な課題であり,広く研究されている. VM配置最適化によって,クラウドのエネルギー効率向上やVMの性能保証が実現できる.

VMの配置を変更するために,VMを動作させたまま物理マシン間で移動する技術であるライブマイグレーションが不可欠である. しかしライブマイグレーションは時間的・性能的オーバーヘッドが大きい. そのため既存のVM配置最適化の研究では,

  • ライブマイグレーションのコストを無視したシミュレーションによる結果を示している
  • ライブマイグレーションのコストを避けるために保守的な最適化を行っている

場合がほとんどである.前者は研究成果を現実世界にそのまま適用することは難しく,また後者では最適化が不十分であるといえる.

そこで我々は,ライブマイグレーションのコストを削減する研究を行っている. 一つのクラウド内でのマイグレーションと,WANでつながれた複数のクラウド間でのマイグレーションの両方に着目し, ライブマイグレーションにかかる時間を削減する手法を提案している. 今後は提案手法を用いてより積極的なVM配置最適化手法を研究していく.

メンバー

  • 横山 重俊(特任教授)

連絡先

横山 重俊:

研究成果

主な発表文献

  1. Soramichi Akiyama, Takahiro Hirofuchi, Ryousei Takano, Shinichi Honiden, "Fast Wide Area Live Migration with a Low Overhead Through Page Cache Teleportation", International Symposium on Cluster, Cloud and Grid Computing (CCGrid), pp. 78 - 82, May 2013.
  2. Soramichi Akiyama, Takahiro Hirofuchi, Ryousei Takano, Shinichi Honiden, "MiyakoDori: A Memory Reusing Mechanism for Dynamic VM Consolidation", International Conference on Cloud Computing (IEEE CLOUD), pp. 606 - 613, June 2012.
  3. 穐山 空道,広渕 崇宏,高野 了成,本位田 真一,”都鳥:メモリ再利用による連続するライブマイグレーションの最適化”,第23回 コンピュータシステム・シンポジウム (ComSys2011),pp. 2-11,2011年11月.(2012年度コンピュータサイエンス領域奨励賞
  4. 横山重俊,桑田 喜隆,吉岡信和,”アカデミッククラウドアーキテクチャの提案と評価”,情報処理学会論文誌, Vol. 54, No. 2, pp. 688-698, 2013年2月.
  5. Shigetoshi Yokoyama, Nobukazu Yoshioka, "An Academic Community Cloud Architecture for Science Applications", IEEE/IPSJ International Symposium on Applications and the Internet (SAINT), pp. 108-112, July 2012.