学生インタビュー

情報科学科からの内部進学者

石川 冬樹

2007年3月博士課程修了
現所属: 国立情報学研究所 助教

本位田研究室の大きな特徴は,その内外における様々な人々,すなわち様々な視点に恵まれていることだと思います.学生は,東大「理学部」情報科学科でみっちりと基礎理論としてのコンピュータ科学を学んだ人,他の理工系学部出身の人,そして企業に勤める社会人と様々です.本位田先生はGRACEセンターという一大組織を率いていますので,例えば企業の開発者が毎年30人,ソフトウェア工学手法・ツールの活用を議論しに来ていますし,それに対応する講師も様々な大学・企業から来ています.他にも自前のクラウドを持っていますのでその関連研究者も集まっていますし,国立情報学研究所内の他の関連研究室とも連携しています.そういった中で,他の方に意見・ヒントをもらうことももちろんできますが,何よりも,「基礎理論でしっかり保証できているのか?」「他分野のこういう研究との関係はどうなのか?」「どれだけ役に立つのか?」等,様々な視点からの疑問・意見に揉まれ,自身の研究・アイディア・企画を高めていくことができます.

しかし当然ながら,ただ「雑多」な場というわけではありません.専門分野や成果の形は異なれど,多くの研究者・教員,多くの博士課程学生(国内の研究室ではダントツ),そして修士課程学生でも,「一流の研究」に向けてのポリシーを共有し,日々盛んに議論を行っています.

研究にしろ開発にしろ企画にしろ,ソフトウェア分野においては近年,「計算を速くする」といった「従来皆がその分野で追いかけてきたゴール」に対し競争するだけでなく,「何が人間にとって・社会にとってゴールなのかを注意深く分析し,新たなゴールを定めそれを実現する力」が求められています.一方で技術的な深さ・しっかりとした科学的・工学的基盤も当然必要です.研究者に限らず,そういった力をつけまた実践していく場として,本位田研究室は非常に恵まれているレアな場所だと思います.

森口 博貴

博士課程2年在学中

私は卒論で本位田研に来てから,修士・博士過程を通してお世話になっています.2010年秋からはCornell大学に1年間の留学中で,現在は機械学習や進化計算を用いたロボットの知的制御について研究しています.

本位田研の特長を端的に表すのは,
「主体的に科学的課題を見つけ,解決する力が鍛えられる」
「国際的感覚が身につけられる」
「多様な興味・バックグラウンドを持つ学生から知識を吸収できる」
環境であるということではないでしょうか.これは同時に,研究者として必要な素養を鍛えるのに適した環境であるとも言え換えられると思います.

例えば,本位田研では学部・修士のうちから国際会議での発表が推奨されるため,「競争相手は世界中の研究者である」という事実に早い段階で気付き,適応していくことが出来ます.もちろんサポートも充実しており,英語を使った発表・ディスカッションをする機会が多く設けられています.私は留学中の身ですが,本位田研での(血の滲むような?)鍛錬があったからこそアメリカでサバイブ出来ているのだと思っています.

本位田研は,何かを教えてもらうだけの場所ではなく,自らを鍛えることがより重視される場所です.そして,目標を持ち,それを達成しようという人には惜しみないサポートが与えられる環境です.研究者,あるいはエンジニアとして自らを鍛える意思を持つ方には,是非ドアを叩いて欲しいと思います.

丹羽 智史

2007年3月修士課程修了
現所属: 株式会社グーグル

私は現在 Google でソフトウェアエンジニアとして動画検索エンジンの研究開発に携わっています.

研究室時代は Web Mining (Data Mining + Web) という分野で研究を行っていました.本位田研究室に入ったきっかけも Web に関連した研究をしたいという思いからでした.

動画検索サービス (YouTube 検索なども含む) を訪れる人々の目的は様々です.30 分だけ暇をつぶしたい,曲名は忘れたけどあの歌手のあの曲が聞きたい,中東に関する最新のニュース映像が見たい等,多様なユーザーの意図を入力されたキーワードから正確に読み取り,適切なアルゴリズムで対処してやらなければユーザーが満足する検索結果を作り出すことはできません.こうした問題を解決する上で研究室時代に得た知識や考え方は大変に役立っています.

大学院の研究室というと閉鎖的なコミュニティを連想する方がいらっしゃるかもしれませんが,(もしくは実際にそうなってしまっている研究室も多いと聞きますが)本位田研究室はとてもオープンに外に開かれている研究室です.情報科学科の学生だけでなくヨーロッパやアジアの留学生,企業の研究員の方々,他大学の姉妹研究室の面々など多様なバックグラウンドと多様な興味関心を持つ人々が一堂に会して知を共有し,共に大きなプロジェクトを成し遂げる,本位田研究室はそんな場所です.これはちょうど私の現在勤める Google にも似ていて,そのお陰で今の仕事に就いてからも戸惑うことなく自然に仕事をすすめることができました.

画期的なアイディアは自分とは異なる知識や考え方を持った他人とのコミュニケーションの中から生まれます.
上から与えられたテーマではなく自分自身のアイディアをとことんつきつめて研究成果につなげたいという人には是非本位田研究室をおすすめします.

東大の他学部からの進学者

清 雄一

2009年3月博士課程修了
現所属: 三菱総合研究所 情報技術研究センター

学部時代は工学部システム創成学科に在籍しておりました.そのまま進学することも考えましたが,本位田研究室のWebサイトに記載されている研究テーマを見て,自分もこんな面白い研究をやってみたいと思い,本位田研究室を第一志望としてコンピュータ科学専攻を受験することにしました.他学部からの進学の上,運動会サッカー部に所属していたため十分な院試の勉強時間を確保することは難しかったですが,過去問を基に勉強することで何とかクリアすることができました.

本位田研究室を選んだ他の理由の一つとして,学生向けのWebサイトが充実している研究室は,学生に対する指導をしっかりとやってくれるだろうという期待もありました.実際,本位田研究室の先生方は,学生の面倒を本当によく見てくれます.何か困ったことがあればいつでも相談に乗ってくれますし,研究への助言はいつでも真剣で親身にやってくれます.また,先生方の研究に対する姿はとても良い刺激になりました.

修士に入学した最初の頃は,毎週のように新しい研究の方向性を考えて,指導してくれる先生方に発表してダメだしをもらう,というサイクルをひたすら繰り返しました.若干辛い時期もありましたが,このおかげで既存研究や自分の研究の本質を見抜く力を養うことができ,これは大変ありがたかったです.この研究の本質を見抜く力は,研究分野によらずある程度普遍的に通用する力だと思います(若干辛いと書きましたが,基本的に研究室時代は毎日がとても楽しかったです!ケーキを焼いたり毎日卓球をしたり毎日カレーを食べたりしてました!).また,今は会社で様々な要望を持った顧客の課題を解決する仕事をしておりますが,本位田研究室で学んだ課題の本質を見抜く力はとても役に立っています.楽しみながら成長したい人は是非,本位田研究室を志望してみてはいかがでしょうか.

他大学からの進学者

平塚 信明

2011年3月修士課程修了
現所属: 野村総合研究所

本位田研究室に進学した経緯

私はもともと別の大学で機械系の学科に所属しておりました.PICやAVRなどのいわゆる「マイコン」へのプログラミングを研究で進める中で,情報技術の分野,特にソフトウェア工学に興味を持ち,本位田研究室のホームページを見つけて見学依頼を出したことがきっかけになります.見学時に研究における環境の良さを知り,進学を決めました.

研究室での活動内容

Service Oriented Computing (SOC)に関する研究を行っていました.そして個人の研究活動に加えて,以下のような活動に参加していました.

  • 研究室のメンバーが自らの研究内容を発表する研究室セミナー
  • 英語での発表を行うEnglish Workshop
  • 読んだ論文を発表する輪講会
  • 同じ研究分野のグループで学会の論文や自分たちの研究内容を話し合う勉強会

他のメンバーの発表を聞くことで知見を深めることができ,自分の研究内容に対してフィードバックをもらう機会が多いので研究を円滑に進めることができました.また,発表方法や英語のスキルも向上しました.周囲には優秀で面倒見が良い方が多く,非常に恵まれた環境だと思います.

本位田研究室で学んだこと

修士の2年間を振り返って,最も身についたのは「考え抜く力」だと思います.研究内容に対するフィードバックを得る機会が多いので,どうやって改善するかと頭を捻り続ける毎日でした.結果として,考えてアウトプットをしっかり出す力が鍛えられたと思います.これは社会生活では「できる人」と「できない人」を分ける重要な要素で,卒業後に非常に感謝している所であります.

進学を希望する学生へのメッセージ

他の大学から進学を希望される方には,研究分野に対する興味とは別に,非常に向上心の強い方が多くいらっしゃると思います.本位田研究室はそのような期待にしっかり応えられる研究室です.「本位田研究室に進学した自分の判断に間違いはなかった」と私は思っています.興味のある方はぜひ見学依頼のメールを出して訪問してみてください.

海外からの留学生

Adrian Klein

博士課程2年在学中

Introduction

I am Adrian from Germany, a member of the Honiden Lab, currently taking the Ph.D. course in Computer Science at The University of Tokyo. I am researching about Service Oriented Computing (SOC).

Experiences

I first came into contact with the lab during an internship at National Institute of Informatics (NII), where my lab is located. At that time I was still taking a master course in Germany. I came here for 6 month with the purpose of writing my final thesis. During the internship I worked on my thesis in close cooperation with my supervisor, Prof. Ishikawa, and learned many things about SOC. I also participated in many activities, like lab meetings, research (group) seminars, or get-togethers. Working on my thesis and interacting with students and professors made me realize that I like doing research in such an environment where everyone critically discusses about their research and encourages each other to improve their own work.

I decided to come back to the lab to do my entire Ph.D. here, because I thought I could do a good Ph.D. in such a good environment, and because I really felt like a part of the lab. So far I really enjoyed the first year of my Ph.D. and my research is progressing at a good pace.

Appeal points of the lab

  • Many common activities
  • Good working environment
  • Critical & constructive discussions about research
  • Support for all kind of daily matters

Message for prospective applicants

I can really recommend our lab to everyone who wants to come here as an intern, master or Ph.D. student, or a Postdoc. If you want to study as a master or Ph.D. student, I think it is a good idea to do an internship first. You will quickly find out if you like doing research in our lab. I think you will find a very good and constructive environment in our lab. If you are from overseas this might also be your first time in Japan, so you can get used to the country during that time, and I am sure, you will soon like it! While Japanese is not necessary in our lab or to get by in Tokyo, it is definitely very beneficial, so I recommend learning the basics of the language before coming in order to enjoy your stay more.

Christian Sommer

2010年3月博士課程修了
現所属: Postdoctoral Fellow, Massachusetts Institute of Technology

How did you choose the lab?

My first contact with the lab happened rather accidentally: during the final year of my studies at ETH Zurich I had been looking for an nternship abroad. I was very lucky to get in touch with Cyrille Artho, then a postdoc at the Honiden lab, who accepted to supervise a semester project of mine. I spent three wonderful months in Tokyo and I got very fascinated by Japan, its language, and its culture. Even though I tried hard to learn Japanese, three months was by far not enough to achieve any level of fluency. I fortunately got an offer from Prof. Honiden to come back for a PhD. Due to the lab's connection with the University of Tokyo, I could get a PhD degree from an internationally recognized university, while learning more about Japan.

Your research topic at the lab

I worked on graph algorithms, in particular on shortest-path algorithms. Being one of the few researchers in the lab interested in theoretical computer science, I sometimes felt scientifically isolated but fortunately I was not socially isolated and I had many interesting interactions with other members of the lab.

What have you learned through your experience at the lab?

我慢 - communicating with students and professors from a different cultural background can be both very challenging and very rewarding. I spent a lot of time and energy on trying to convey a message, only to realize later that my message had been understood already but I hadn't understood the signals telling me so.

What is the appeal point of the lab?

The lab is rather large and, thanks to a successful professor, very well funded. Students with their own research plan and strong initiative can pursue their own research agenda enjoying generous support.

On the social side, there are two retreats, one in winter and one in summer, where I learned a lot about Japanese culture. While the preparation for these retreats could be stressful at times, the actual trips and the evening programs were always very enjoyable and I miss the great atmosphere a lot.

Message for prospective applicants

Think carefully about your research plan and objectives. Do they match with the current research of the lab? If there is a large potential for collaboration, you may have the chance to work with professors, researchers, and other students; otherwise, you may have to find collaborators on your own.  I had a wonderful time in Japan.

Johan Nyström-Persson

博士課程3年在学中

I was born in Sweden, studied for my first degree at Imperial College in the U.K., and eventually came to Japan through my interest in the country. When I arrived here in 2008, I first worked as a software developer for a year, but eventually decided that at this point in my life, I wanted to try my hand at research activities, so I decided to study for a Ph.D. I made contact with a few professors in the Computer Science department at the University of Tokyo, to see if I could find a lab that would be suitable for me. Professor Honiden had a reputation for having many international students, which was a good sign in itself, and I also had an opportunity to discuss my situation with a Ph.D. student in the lab before I applied. I got a good impression from the lab and from the student I discussed with, which made me apply without hesitation.

In my research, I address what I see as one of the fundamental problems of programming, which is the problem of composing components. Component-based software engineering, where we make software by parts and then put them together and reuse them, is a well known ideal, but in practice the benefits are often difficult to obtain. By creating support for this kind of flexible composition at the level of the programming language itself, I am trying to address this problem. Specifically, I am trying to create a solution that is a dialect of Java, and that is based on a new kind of interface description language and code generation. If I am successful, programming on the Java platform should become more flexible and economical.

As would be expected for a Ph.D. student, I spend a lot of time reading and writing papers, thinking, and carrying out experiments. But the focal point of the lab's activity is the weekly seminar, in which students take turns presenting their work to the rest of the lab. During these seminars, both students and professors ask critical questions about the work, which is an essential part of the research process and of personal improvement. In addition, the lab contains several smaller research groups, which also meet frequently, and which help students to prepare for the main seminar through close interaction. Most of these research groups are headed by assistant professors in the lab, who have strong competencies in the various areas. I am a member of two such groups: the formal methods group, and the software engineering group. They have been very supportive towards my personal progress, and helped me identify many important issues.

I have found that the students of the Honiden laboratory are ambitious and work hard, and for this reason the lab can be a stimulating environment to work in. In addition, the language barrier, which always must be considered for international students in Japan, is not as much of a problem in this lab. The international students are making an effort to learn Japanese, and the Japanese students in the lab typically have a high level of English, and I believe that the barriers to communication are relatively small. In fact, the lab combines a Japanese research environment and an international environment in a positive way, and as a lab member I have gained new experience and understanding about both of these approaches, as well as about how they can be combined. Professor Honiden supports the students' research activities well, and discusses their personal progress during tutorial sessions which are held regularly. I have found my time in the lab so far to be highly stimulating and challenging.

社会人学生

中川 博之

2008年3月まで在籍(博士課程)
現所属: 電気通信大学 助教

本位田研究室には,修士課程の2年間と,博士課程(中退)の1年間をお世話になりました.

学生の頃の研究分野は(エージェント指向の)ソフトウェア工学です.私は企業でシステムを設計していた経験があり,ソフトウェア開発現場において実際に肌で感じた疑問点や改善方法をコンピュータ科学の最新の研究成果を用いて追求したいと強く感じたのが,本位田研究室の門を叩いた理由です.ソフトウェア工学は学生時代には親近感がわかないかもしれませんが,複数プログラマによるシステム開発や企業での実務を経験すると,特にその重要性を認識する研究領域だと思います.
 
本位田研究室は素晴らしい研究環境を備えていますが,魅力はそれだけではありません.研究分野が違っても互いに切磋琢磨できる仲間が沢山いることと,自発的・積極的に活動すれば,想像できないくらいの大きな活躍の場を与えて頂けるというのが一番の魅力だと思います.世界のトップレベルの先生方に個別で研究指導をして頂ける機会や,国際的な共同研究の機会を得ることもできますし,社会にインパクトを与えるビッグプロジェクトの主要メンバーとして活躍することもできます.これらの活動を繰り返すことで,不可能だと感じていたことも,努力を重ねれば到達可能であると感じるようになり,結果として,卒業時には驚くほど成長した自分に気づくはずです.
 
現在私は電気通信大学で研究を通じた学生の教育に携わっていますが,本位田研究室で体験させて頂いた達成感を学生にも経験してもらえるよう,日々指導に当たっています.

 

井上 拓

博士課程3年在学中
キヤノン株式会社 デジタルプラットフォーム開発本部所属

私は入学前にソフトウェア工学の教育プロジェクトであるトップエスイーを受講したことがきっかけで,プロジェクトリーダである本位田先生に研究室を紹介していただき,現在社会人学生としてお世話になっています.

勤務先では,製品ソフトウェアの研究開発でソフトウェア工学の様々な知見を実践する機会が多いのですが,開発現場では先端的な研究成果をうまく活用できないことも多く,そのギャップを埋めるような実用的かつ学問的にも価値のある研究成果を挙げることを目指しています.具体的にはソフトウェアの部品を組み合わせてシステムを構築する手法である,コンポーネントベース開発の研究を行なっています.

本位田研究室の魅力は,何といってもその自由な雰囲気にあると思います.各自が興味を持った研究分野に自由に取り組んでおり,様々な研究テーマで活発な研究活動が行なわれています.その他,研究室セミナーでは学生や先生方から発表内容に関する鋭い突っ込みと共に,研究方法などのアドバイスがあり,私にとって研究を進める上で非常に良い勉強の場になっています.

研究室にはバイタリティあふれる学生が多く,研究や行事に積極的に取り組む研究室メンバの姿勢はとても刺激になります.外国人の学生も多く国際色豊かで,英語力の向上にはもってこいの環境です.主体的に研究をしたい!と考えている学生の皆さん,是非一度本位田研究室のドアを叩いてみてはいかがでしょうか?